第102章 小泉大輔の手を離さない

小泉大輔はふっと口元をゆるめ、彼女に視線を向けた。

「こんばんは」

全員が揃ったのを確認すると、平野春花もすぐ自分の席へ戻り、明るく声を張る。

「今夜は玲奈さんも大輔さんも、遠慮しないでね。お腹いっぱい食べてくれないと、このごちそうがもったいないもん!」

そう言いながら、彼女は焼き上がった食材を次々と二人の皿へ取り分けていく。

平野家のシェフの腕は確かだった。火加減は絶妙で見た目も美しく、味わいもまた素晴らしい。

食事中も春花が場を回しているおかげで、空気は終始にぎやかだった。

両親の平野夫婦も、娘を助けてもらった礼だと、何度もグラスを掲げる。

南雲玲奈は酒に強くない。口をつ...

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